筑波山中には古くから筑波山神社と縁の深い神社や小社が数多くあります。
筑波山神社境内社や山中の社、麓の神社を訪ねてみました。
1.筑波山神社(筑波山神社は筑波山全体を御神域としていて男体山・女体山に二神
【筑波男大神(つくばおのおおかみ)】・【筑波女大神(つくばめのおおかみ)】を置いています。
・筑波山神社拝殿
拝殿裏手の高台から撮影
狛犬
・御神橋
茨城県指定文化財、通常は渡れないが、春と秋の御座替祭(4月1日、11月1日)、年越祭(2月10・11日)のみ
一般参拝者は渡ることが出来る。 (1633年11月、3代将軍徳川家光公の寄進)
・随神門
つくば市指定文化財、1633年家光公によって寄進されたが、その後2度焼失、現在の門は1811年の再建。
左側に倭健命(やまとたけるのみこと)、右側に豊木入日子命(とよきいりひこのみこと)の像が安置されています。
左側に倭健命(やまとたけるのみこと)
右側に豊木入日子命(とよきいりひこのみこと)
2.男体山本殿【筑波男大神(つくばおのおおかみ)】(御祭神:伊弉諾尊=イザナギノミコト)男体山山頂直下にある。
3.女体山本殿【筑波女大神(つくばめのおおかみ)】(御祭神:伊弉冉尊=イザナミノミコト)女体山山頂直下にある。
4.筑波山神社境内社
・春日神社(写真左)・日枝神社(写真右)
・拝殿(上記二社の拝殿)
春日神社本殿、日枝神社本殿、両社拝殿の三つが茨城県指定文化財です。
1633(寛永10)年、3代将軍徳川家光公の寄進で造られました。
・厳島神社
茨城県指定文化財で江戸時代初期の建造、1633(寛永10)年、3代将軍徳川家光の寄進で造られた。
琵琶湖の竹生島神社の御分霊を祀る。 祭神:市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
・愛宕山神社
筑波山神社拝殿の東(境内向って右側)、登山道、白雲橋近くにある。火防の神様。
・八幡神社
筑波山神社拝殿の東(境内向って右側)、愛宕神社脇にある。
5.摂社
摂社は、安座常神社、小原木神社、渡神社、稲村神社の4つを言います。
これに男体山の筑波男大神、女体山の筑波女大神の2つを加え、6柱を祀ったのが六所神社と呼ばれます。
・安座常神社(あざとこじんじゃ)(御祭神:素盞鳴尊=すさのおのみこと)屏風岩に接してある。
・小原木神社(こはらぎじんじゃ)(御祭神:月読尊=月読命(ツクヨミノミコト)北斗岩のたもとにある。
・渡神社(わたりじんじゃ)(御祭神:蛭児命=ひるこのみこと)裏面大黒岩の脇にある。
・稲村神社(いなむらじんじゃ)(御祭神:天照大神=あまてらすおおみかみ)高天ヶ原にある。
6.筑波七稲荷(つくばななついなり)
七稲荷とは、①朝日稲荷、②鶺鴒稲荷、③西沢稲荷、④清水稲荷、⑤平石稲荷、⑥行人塚稲荷、⑦石稲荷
を指します。
筑波七稲荷所在地図
①朝日稲荷(別名出世稲荷)(御祭神:太田命(おおたのみこと))
場所:筑波山神社拝殿裏手の高台にある。美幸ヶ原登山口にも近い
②鶺鴒稲荷(せきれいいなり)(御祭神:伊邪那美神(いざなみのかみ)『日本書紀』には、結婚交合の行為がわからず、
鶺鴒(せきれい)の尾をふる特徴から教えられたそうです。)
(場所:美幸ヶ原連絡路上のセキレイ石隣に諏訪神社と一緒に祭られています)
③西沢稲荷(にしざわいなり)(御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまの かみ)穀物の神です)
(場所:つくばグランドホテル脇)※地図参照
④清水稲荷(しみずいなり)(御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまの かみ)穀物の神です)
(場所:つくば市筑波983近く)※地図参照
⑤平石稲荷(ひらいしいなり))(御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまの かみ)穀物の神です)
(場所:※地図参照)
⑥行人塚稲荷(ぎょうにんづかいなり)(供養塚に類するものか、行者・修験者が自埋入定したものか不明))
(場所:※地図参照)
⑦石稲荷(いしいなり)(造園・石材・土木・山林等の職人さんたちが江戸時代から信仰していたようです))
(場所:※地図参照)
7.末社
昔、108箇所の末社があったという話しもありますが、現時点で筑波山中や山麓に点在する小社がいくつあるか定かではありません。
現時点で見つけたものを掲載いたします。
①常陸帯神社(ひたちおびじんじゃ)
(常陸国鹿島神社で,1月14日の祭礼の日に行われた縁結びの帯占。布帯に意中の人の名を書いて神前に供え、
神官がこれを結んで縁を定めたのが始まり)
(場所:男体山旧気象観測所下)
②聖天神社(しょうてんじんじゃ)
(御祭神:大聖歓喜自在天)(夫婦和合・除災得福・富貴・子授けにご利益がある)
(場所:弁慶茶屋跡地)
③稲荷神社(いなりじんじゃ)(御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまの かみ)穀物・農業の神です)
(場所:白雲橋コース上の弁慶茶屋と迎場分岐の中間近辺の岩の上に鎮座)
④白蛇弁天(はくじゃべんてん)
(御祭神:須佐之男命の剣から生まれた三女神、市杵嶋姫(イチキシマヒメ)ここで白蛇を見た者は財を成すといわれています。)
(場所:白雲橋コース上)
⑤住吉神社(すみよしじんじゃ)
住吉三神(すみよしさんじん)=底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、
表筒男命(うわつつのおのみこと)を祀る。海の神・航海の神・和歌の神として知られる。
(場所:住吉・秋葉神社コース標高410m付近)
⑥秋葉神社(あきばじんじゃ)
神社以外にも「秋葉山」など寺院の中で祀られている場合もある、殆どの祭神は神仏習合の火防(ひよけ)・火伏せの神です。
(場所:住吉・秋葉神社コース標高540m付近)
⑦猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)
(御祭神:猿田彦大神と、その子孫の大田命を祭神とする)猿田彦神がニニギの先導をしたということから、
交通安全・方位除けの神社として信仰されている。)
(場所:猿田彦神社コース上、標高570m付近)
⑧稲荷神社(いなりじんじゃ)
(御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまの かみ)穀物・農業の神です)
(場所:猿田彦神社コース上の標高340m付近の岩陰に鎮座)
(旧:おそらく2014年夏までは朽ち果てそうな状態でした)
(新:2015年1月には新しくなってました。2014年末辺りに新しくなったのでしょうか?)
8.山麓の神社
※工事中
9.その他(供養塔・史跡等)
①役公之窟(えだちのきみのくつ)
修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ、本名:役 小角(えんの おづぬ)が鎮座する岩屋
場所:御幸ヶ原コースの男女川源流脇の岩屋に鎮座する
御幸ヶ原登山道脇に横たわる石碑
石碑が横たわる斜面の上にこのような注連縄(しめなわ)があり、岩屋の奥に石像があります。
中央が役 小角(えんの おづぬ)、左の斧を持つのが前鬼(ぜんき)、右の水瓶を持つのが後鬼(ごき)です。元々は鬼の夫婦ですが、改心し役行者の御供をすることになったそうです。一番左の折れている石像は前鬼の下半身のような気がします。震災で折れてしまったのではないでしょうか?後鬼の背丈に比べて前鬼が小さ過ぎると思います。
②V字谷東尾根 宝篋印塔(五輪塔)
V字谷東尾根620m付近の尾根先端にあります。供養塔なのか?、存在の由来が不明です。
かなり古いものだと思いますが、崩壊がひどくいつ倒れるか分からない状態です。
同様の石塔は宝鏡山にも見られます。
細い尾根の先端にひっそりとあります。